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王国剣士団と医師会について [裏話]

 こんにちは

 今回は前回の裏話『エルバール王国のお仕事』の続きっぽい内容です。続きを作るつもりで書いたわけではなかった前回の記事ですが、、外伝を書いていて、牢獄の検死医や受付の話が出てきたので、今回はそのあたりの話をまとめておこうかなと考えまして。

 王国剣士団ですが、これは小説本編でも何度か出てきている通り、エルバール王国の初代国王ベルロッドの冒険者仲間であるイーガン卿が創設した組織です。サクリフィアでは国防は魔法メインでしたので、武力についてはそれほど重要視されていなかったのですが、『剣に選ばれし者』の帰還に怯える代々の国王は軍隊を組織して身辺を警護させていました。
※このサクリフィアの軍隊をモデルにしたのが、フロリアが王国剣士団に代わって組織した『エルバール王国軍』です。

 ずいぶん前の話ですが、33章でエルバール王国軍についての話が出ています。

『実際サクリフィアでも、その軍隊制度が取り入れられていたのは建国後わずかの間で、その後何か別の制度に取って代わられたらしいのだが、それ以上の記述はその本にはなかった』

 エルバール王国に伝わっている『古代のサクリフィア』の内情は、それほど正確ではありません。軍隊はサクリフィアが聖戦で滅亡寸前まで追い込まれたその時までずっと軍隊はありました。ただ、『凄まじいまでの魔法』のほうが主流になっていたので、規模的にはそれほど大きくなく、どちらかというと国王の身辺警護が主な仕事だったということになっています。
 エルバール王国建国時、国王を守る組織がほしいと言い出したのは、イーガンではなく文書館を創設したディード卿でした。イーガン、ディード、そしてもう一人、アニータという女性が、当時ベルロッドの冒険仲間でした。彼らについては52章の演劇鑑賞のシーンである程度の紹介がされています。

D&Dでのパーティーの役割的に言うなら
ベルロッド⇒壁役の戦士なので純粋ファイター
イーガン⇒治癒魔法の使い手で戦士でもある、ファイターとクレリックのマルチクラス
ディード⇒あらゆる魔法を使いこなすスペシャリストなので、ウィザードか、クレリックとのマルチクラスというところ
アニータ⇒鍵空け罠解除の天才なので、ローグあたりですかね

 ちょいと話がそれましたが、そんなわけでいろいろ考えた結果、国王を守るだけでなく、国民すべてを守る王国剣士団のスタイルが出来上がったというわけです。ベルロッドを始めとするこの4人、全員一般庶民です。なので『身分にこだわらない』『身内の仕事や偉い人の知り合いとかも意味なし』『剣の腕と人となりだけを吟味する』という考えは、この結成当初から変わっていません。

 その王国剣士団、現代日本で言うなら、自衛隊と警察を足したような仕事をしています。2で割りませんww

 国を守るということについては、この世界では対立する別な国家が存在しないので、もっぱらモンスターなどから国を守るということになります。国民を守るということについては、モンスターもさることながら、様々な犯罪から民を守る役目を担っています。事件が起きた場合、調査を担当するのは、基本的に『その件に出くわした王国剣士』ということになります。なのでアルスとセラードはガルガスの件を担当したわけですが、、モーガンの件はパーシバルがたまたま単独行動で動いていたときに『出くわした』もの。本来ならばコンビを組む剣士と二人で二人で調査にあたることになるわけですが・・・果たして!?

 さて一方医師会ですが、外伝当時、医師になるための明確な基準はありませんでした。医学院という学校は当時から存在していましたが、この時代普通の学校に行かせるにもそれなりのお金がかかる、ましてや医者にするための学校など、なかなか一般庶民には手の届かないものでした。しかもそこを出なくても医者になれないわけじゃないってのが( ̄▽ ̄;

 基準がないということは『我こそは医者なり』と言い張れば、誰だって医者になれたわけです。ちょっとした薬草の知識があるとか、ちょっと治療術が使えるとかいう程度でもなんとかなってしまう。なので城下町に限らず、人が住むところにいる医者は玉石混淆、当然ろくな役に立たないやぶ医者もたくさんいたわけですな。そして医師同士の情報交換も全然ありませんでした。ちなみに小説現代編に登場するハインツとマレックは、外伝当時まだ医学院の学生。どちらも父親が診療所を開いていたので、跡取りとしては医学院くらい出ていないとまずいだろうということで、医学院に進んだわけです。ただこの2人、歳も少し違うし、それほど親しかったわけではない。そしてハインツの実家であるデイランド医師の診療所ですが、この頃は父親が健在でしたので、名前は違いますが開いてました。

 しかし、単なる町医者として勝手に看板を出すならともかく、医師会に入るとなると当然ながらそれなりの技量を要求されます。なので医学院を出ていない『自称医者』みたいなのは、まず医師会になんて入れません。現代編のように医師免許を得るための国家試験はありませんが、いうなれば医師会に入るための試験みたいなものはあります。むろん非公式にですが。そのあたりも『医師会が権威にこだわる』という悪評を生んだ原因の一つではあります。

 牢獄の検死医の仕事は、別に医師会でなくても出来ないことはありませんが、やはり公正な検死の為には利害が絡んでくる民間の医師より王宮直属の組織である医師会から派遣するのが望ましいということで、医師会の医師達がローテーションを組んで対応しています。

 最後に牢獄について少し。

 牢獄が長い間王宮のすぐ近くにあって『地下牢』と呼ばれていたのは、小説本編で何度か出てきていますが、実は建国当初、王宮と牢獄の場所は近かったわけではありません。最初はね、王宮も小規模だったし、地下牢も小さく、その当時は『町のはずれ』に建てたわけだったのですよ。ところが時代が下がるにつれて王宮はどんどん広げられていきましたが、地下牢のほうはそう簡単にどかせない。結果として、王宮の敷地内を抜けて向かうような作りになってしまったというわけです。現代編ではそれが見直されて別な場所に牢獄を建て、地下ではなく地上に収監できるよう建物を増やしたというわけですね。そして地下牢と呼ばれていたころは、一階には簡素な建物があり、そこに受け付け、応接室、検死医の部屋などの施設がありましたが、その同じフロアに地下牢への入り口がありました。なので万一の脱獄に備えて、この建物の中で働く人々は全員男性、しかも武術の訓練を受けることになっていました。小説の回想編のあたりまではそんな感じでしたが、城壁を広げて広い場所を確保して新しい牢獄を立てた時、受付と囚人のいる棟を別棟にしたので、現代編では牢獄の建物で働く女性はたくさんいます。

 とまあ、そんな設定のもとにこの話は書かれています。また思いついたらなんか書く予定。


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