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106章です [裏話]

 こんにちは

 106章掲載です。

 今回は特に新しい登場人物はいないので、ここからちょいとした解説など。

 イノージェンとリーザの妹チルダのお茶会が実現しました。このお茶会で登場するアイテムは、多分皆さんお気づきかと思いますが、現代では英国発祥のアフタヌーンティーと呼ばれるものです。

 エルバール王国ではお茶を飲む文化は定着していますが、用意されるお茶菓子はクッキー、ケーキなど、全体的に軽めのお菓子が主流です。貴族のお茶会は大規模なものから今回のような親しい友人同士の小規模なものまで様々ですが、お茶菓子はケーキなら基本一人一皿、ただしおかわりは自由。そのおかわりはメイドが給仕してくれます。お茶のおかわりも然り。ただ今回のように少人数の気軽なお茶会では、招待した家の女主人がお茶を淹れて振る舞うというのが一般的です。

 なのでケーキスタンドのようなものはこの国には存在せず、お茶菓子はいつも皿に盛られていました。しかしこのスタンド方式だとある程度多めのお茶菓子なり軽食なりを用意することが出来るので、イノージェンとウィローはかなり興味を持ったようです。

 しかし、おいしいお茶とお茶菓子をいただきながら、チルダが話してくれたことは、本当に気の毒な話です。実はチルダの話には続きがあるのですが、ここではラッセルの妻リンガーの登場で途中になってしまいました。リンガー・ガーランドは名前は出てきているものの、実際にクロービス達の前に姿を現してはいないので、人物紹介は割愛です。

 ガーランド男爵家の相続ですが、本来貴族の家の相続は、その家で財産目録を作り、相続分についての分割協議書を提出して家督相続者が爵位を継ぐことを王宮に報告するという流れになります。その後謁見などの手順はあるものの、ガーランド男爵家のように既に家督相続の予定者が結婚して子供もすくすくと育っている場合、何の問題もなく終わるものです。

 では何で今回はこんなことになったのかというと、当代の男爵の横領疑惑があるからです。ラッセルの犯罪などについては相続とは全く別の問題なので、それだけで財務資料を王宮に持ち込むなどという、本編ないでクロービスが言っているような家宅捜索みたいなことにはならないはずなんですよね。

 しかし男爵には、領地からの上がりを不正に隠匿した疑惑、妻の実家からの援助金を着服した疑惑があります。妻の実家から援助金が届いたなら、それを手にすることが出来るのは妻本人なんです。なのでもしかしたら、男爵夫人は実家から援助金が届いていることを知っていたのかどうかという疑惑も持ち上がっています。

 しかもそれら全ての横領を、イノージェンとその母親のためにいいことだと信じて男爵がやっていたというのなら、とんでもないことです。

 ハーブティと言う名の薬の影響でおかしくなっていたラッセルも、どうやら正気に戻ったようです。今後チルダを蔑ろにするようなことはないでしょう。しかし問題はリーザ。そのリーザを心配したクロービスは、次回、ある人物に話を聞きに行くことになります。

 まずは106章をどうぞ。

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